「早く完成させる」が正解ではありません。1年以上かけて完成した、パリサンダーのレジンテーブル。

完成したパリサンダーのレジンテーブルを囲む制作体験参加者 制作体験ワークショップ
「早く完成させる」が正解ではありませんでした。何度も悩みながら作った時間まで、このテーブルに入っています。

完成した瞬間、少しだけ寂しくなりました。

エコロキアのレジンテーブル制作体験ワークショップに1年以上通って制作されていた、パリサンダーのレジンテーブルがついに完成しました。

最初は「本当に完成するんですかね」と笑いながら始まった制作体験。でも途中から、完全に“作品”になっていきました。

色味、透明感、木の見え方、レジンの奥行き。
何度も手を止めて、何度も考えて、少しずつ形になっていく…その時間ごと、このテーブルに入っている気がします。

完成した瞬間はもちろん嬉しい。でも同時に、少しだけ寂しい。

毎月のように御所へ来て、一緒に磨いて、光の見え方を確認していた時間が終わるからです。たぶんレジンテーブル制作体験って、“家具を作る”だけではないんだと思います。

パリサンダーは、レジン越しでも空気が深い木です。

黒に近い杢目の奥に、少し赤みがあります。

今回使用したのはパリサンダー。

独特の深みを持った木です。黒に近い濃い色ですが、光が当たると少し赤みが浮かびます。しかも今回は、木そのものを直接触るというより、“レジン越しに木を見る”作品でした。

透明な層を通して見える杢目が、どこか水中みたいに見える瞬間があります。

パリサンダーの杢目とブルー系レジンが重なったレジンテーブルの表面
黒に近い杢目の中に、少し赤みが浮かぶパリサンダー。光の角度で表情がかなり変わります。

特に屋外で磨いている時、空や木々が映り込むと、境界が少し曖昧になる。木なのか、水なのか、景色なのか。そういう不思議な時間がありました。

木とレジンは、完成してから空気が変わります。

レジンテーブルは、流し込んだ瞬間が完成ではありません。
研磨して、曇って、また磨いて。その繰り返しです。

特に最後の磨きは、かなり空気が変わります。

パリサンダーのレジンテーブルを屋外で研磨している制作体験の様子
少し曇っていたレジンの奥から、景色が見え始める瞬間。完成直前の空気はいつも少し静かです。

最初は白く曇っていたレジンの奥から、少しずつ景色が見え始める。その瞬間、周りで見ている人達の声が少し変わります。

「あ、綺麗」

というより、

「なんか凄い」

に近い。たぶん、“物”というより、“空気”が立ち上がってくる感覚なんだと思います。

早く完成させることだけが正解ではありません。

制作体験は、人によって時間の流れが違います。

「どのくらいで完成しますか?」

これはよく聞かれます。もちろん一般的な目安はあります。
でも実際には、人によって全然違います。

数ヶ月で一気に仕上げる方もいる。逆に、今回のように1年以上かけて作る方もいます。でも、それで良いと思っています。むしろ、急ぎすぎると見えなくなるものがあります。

「あ、やっぱりこの色違うかも」
「もう少し透明感を落としたい」
「木の見え方を変えたい」

そういう微調整って、時間を置くと見えてくることがあります。

“完成”より、“作っている時間”の方が残ることがあります。

完成したテーブルはもちろん残ります。

完成直前のパリサンダーレジンテーブル全景と屋外アトリエ風景
完成したはずなのに、まだ少し手を入れたくなる。レジンテーブル制作体験は、その時間ごと作品になる気がしています。

でも不思議と、後から記憶に残るのは制作中の時間だったりします。

暑かった日。
硬化待ちでランチを一緒に過ごした時間。
磨きすぎて腕が痛くなったこと。

「ここ、もう少しこうしません?」と話していた夕方。
レジンテーブル制作体験って、完成品だけではなく、その途中も含めて作品なんだと思います。

だから完成すると少し寂しい。たぶん、それだけ長くこのテーブルと付き合ってきたからです。

御所のアトリエには、“完成前”の空気があります。

最近、完成より途中の方が面白い気がしています。

御所のアトリエでは、いつも何かが途中です。

乾燥待ち。
研磨途中。
色決め中。
DIY途中。

片付いているのか散らかっているのか分からない時もあります。
でも最近、その“途中”が面白い。完成品だけ並んでいるショールームとは少し違います。

誰かが磨いていて、誰かが悩んでいて、誰かがコーヒーを飲んでいる。その空気ごと、作品に入っていく感じがあります。

レジンテーブル制作体験は、“正解を作る場所”ではありません。

エコロキアの制作体験では、「こうした方が売れる」とか、「こうすれば正解」という話をあまりしません。もちろん技術的なサポートはします。

でも最後は、その人の感覚です。

今回の作品も、途中で何度も方向が変わりました。

パリサンダーと透明感のあるブルーレジンを組み合わせた大型レジンテーブル
空や木々を映し込むたび、木なのか水なのか少し分からなくなる瞬間があります。

でも、その迷った時間があったから、この作品になった。もし最初から正解だけを追っていたら、違うものになっていた気がします。

完成した後も、たぶん物語は続きます。

レジンテーブルって、納品して終わりではありません。
そこから暮らしに入っていきます。

光を受けて、傷が入って、物が置かれて、時間が積もっていく。今回のテーブルも、これからどんな景色を映していくのか楽しみです。

そしてまた御所で、新しい制作が始まります。
完成したのに、また次が始まっている。最近、そんな場所になってきました。

よくある質問

Q
レジンテーブル制作体験は初心者でも参加できますか?
A

ほとんどの方が初心者です。
実際、最初は工具を触ったことがない方も多く、「自分にできるかな」と不安そうに来られます。ただ、エコロキアの制作体験は“職人養成”ではありません。木を選び、色を考え、磨きながら、自分の感覚を少しずつ形にしていく場所です。もちろん危険な工程や難しい部分はサポートしますので、経験が無くても問題ありません。むしろ、慣れすぎていない方の方が、面白い発想になることもあります。

Q
制作期間はどれくらいかかりますか?
A

作品サイズやデザインによってかなり変わります。
数日で完成する小作品もありますが、大型テーブルになると数ヶ月〜1年以上かける方もいます。特にレジンは硬化時間が必要で、流し込み→乾燥→研磨→再調整を繰り返します。また、途中で「やっぱりこうしたい」と方向が変わることも珍しくありません。エコロキアでは“早く終わらせること”より、“納得して完成させること”を大切にしています。

Q
パリサンダーはどんな木ですか?
A

パリサンダーは非常に深みのある色と杢目を持った木材です。
黒に近い濃い色味の中に、赤や茶の揺らぎがあり、光によって表情がかなり変わります。特にレジンとの相性が良く、透明な層を通して見ることで、木の奥行きがさらに強調されます。ただ派手なだけではなく、“静かな重厚感”がある木です。そのため、完成すると家具というより“空間の景色”に近い存在感になることがあります。

「作る時間ごと残したい」と思う方へ。

レジンテーブル制作体験は、単に家具を完成させる場所ではありません。

木を選び、色を迷い、磨きながら、自分の感覚を少しずつ形にしていく時間があります。

完成した時、嬉しいのに少し寂しい。

そんな作品になることがあります。

御所のアトリエでは、今も色々な制作が進行中です。

世界にひとつだけのテーブルを、“途中の時間”ごと作ってみませんか。