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在庫は十分。でも創作意欲が勝ってしまった——センダンという木が、またレジンテーブルを作りたくさせる

センダンの無垢材に現れた2つの大きなコブ。自然が生み出した有機的な造形が特徴のレジンテーブル用素材 素材と木の話
センダンならではの柔らかな木肌に、偶然が重なって生まれた2つのコブ。 人工では決して再現できない、有機的で力強いシルエットが魅力です。 シンプルにレジンを合わせるだけでも、十分にアートとして成立する存在感があります。

在庫はたっぷりあるのに、なぜまた仕入れてしまうのか

木を見た瞬間に湧き上がる「つくりたい」という衝動

正直に言えば、レジンテーブル用の木材はもう十分すぎるほど揃っています。
仕事として考えれば「これ以上仕入れる必要はない」「まずは在庫を使い切るべきだ」という判断が正解でしょう。
それでも、製材された木を目の前にした瞬間、頭で考えるより先に、身体が反応してしまうことがあります。

今回のセンダンも、まさにそうでした。
仲の良い材木屋さんが「正木さんの好きそうなやつ」…とこの木を出した瞬間、「これは面白くなる」と直感的に感じてしまったのです。

センダン無垢材とレジンの組み合わせを想起させる構図。自然造形を活かしたアート向き素材
この造形は、あえて作り込みすぎない方が美しい。
クリアや淡色のレジンを合わせ、自然のラインをそのまま引き立てるだけで、
「使えるアート」として空間に溶け込む一枚になります。

コブが2つ並んだ独特のシルエット。
人工的にデザインしようとしても、まず同じ形にはならない、自然が偶然生み出した造形。
その存在感に、思わず手が伸びていました。

理屈では説明しきれないけれど、ものづくりをしている人間なら、きっと共感してもらえる感覚だと思います。

「これは仕入れないと後悔する」

そんな衝動が、今回も勝ってしまいました。

合理性だけでは語れない、素材との出会い

もちろん、反省がないわけではありません。
在庫管理、資金繰り、保管スペース。事業として考えれば、感情だけで動くのは決して褒められたことではないでしょう。

それでも、木材という素材は、数字や効率だけでは測れない魅力を持っています。同じ樹種でも、育った環境や時間によって、表情はまったく異なる。だからこそ「今、ここで出会ったこの一枚」は、その瞬間にしか存在しないのです。

センダンは、決して高級材として扱われることの多い木ではありません。ですが、この材が持つ造形や雰囲気は、価格やブランドでは語れない価値があります。

合理性だけを優先していたら、きっと見過ごしてしまっていたでしょう。
そういう素材と出会えること自体が、ものづくりを仕事にしている醍醐味なのだと思います。

センダンという木が持つ、レジンとの相性

柔らかな木肌と、穏やかな色合い

センダンの特徴は、何と言ってもその柔らかな表情です。
木肌は比較的おとなしく、色味も淡い。強い主張はありませんが、その分、年輪や導管の流れ、コブの存在感が自然と目に入ってきます。

この「主張しすぎない」という点が、レジンとの相性の良さにつながっています。レジンテーブルというと、鮮やかな色や派手な演出を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかしセンダンは、クリアや淡色のレジンを合わせることで、素材そのものの美しさがより際立つタイプの木です。

木が前に出すぎず、レジンが浮きすぎない。

そのバランスの良さが、完成したときの「心地よさ」を生み出します。

コブが生み出す、自然と人工のコントラスト

今回のセンダンの最大の特徴は、やはり2つのコブです。

センダンのコブ部分の木口アップ。年輪と入り組んだ導管が生み出す独特の表情
コブ部分の断面には、年輪の揺らぎや導管の複雑な表情がはっきりと現れています。
この「少し荒々しい美しさ」こそが、自然素材を使う面白さ。
レジンを流し込むことで、この表情がさらに際立ちます。

このコブ部分の断面には、年輪の揺らぎや複雑な導管が現れ自然が積み重ねてきた時間を、そのまま可視化したような表情があります。

ここにレジンを流し込むことで荒々しさと滑らかさ、自然と人工という対照的な要素がひとつの作品の中で共存します。

レジンはあくまで脇役。

主役は、この木がもともと持っている造形です。

だからこそ、作り込みすぎない。余白を残す。その感覚が、このセンダンにはよく似合います。

このサイズだからこそ生まれる、自由な発想

サイドテーブルという現実的な選択

サイズは、厚さ40mm、幅270mm、長さ490mm。
決して大きなテーブル材ではありませんがその分、サイドテーブルとして非常に扱いやすいサイズ感です。

ソファ横やベッドサイドに置く、小さなテーブル。日常の中で自然と目に入る場所に置くからこそこの木の存在感がじわじわと効いてきます。

大きな家具ほど気合を入れなくてもいい。
だからこそ、挑戦しやすい。制作体験としても、このサイズはとても良いバランスだと感じています。

オブジェとして楽しむという発想

一方で、あえて「家具」にしない選択もあります。
このセンダンは、オブジェとして飾るだけでも十分に成立する造形です。

玄関や壁際、店舗のディスプレイ。
レジンを最小限に抑え、自然の形をそのまま活かす。使うためのモノではなく、眺めるための作品として仕上げるのも、非常に贅沢な使い方です。

あなたなら、このセンダンで何を作りますか?

色を入れるか、あえて入れないか

この木を前にすると、自然と考えてしまいます。
「自分だったら、どう仕上げるだろう?」と。

厚さ40mm・幅270mm・長さ490mmのセンダン材。サイドテーブルやオブジェに適したサイズ感
サイズは厚さ40mm、幅270mm、長さ490mm。
大きすぎず小さすぎず、サイドテーブルやオブジェ、アートピースにちょうど良いボリュームです。
空間にさりげなく「自然」を取り入れたい方におすすめの素材。

クリアレジンで木の造形を際立たせるのか。
淡い色を加えて、少しだけ物語性を持たせるのか。
選択肢は無限にあります。

正解はありません。

選んだ色や仕上げが、そのまま作り手の感性になります。

整えるか、荒さを残すか

コブの輪郭を削って整えるのか。
あえて荒さを残し、自然の力強さを前面に出すのか。
どちらを選んでも、それは間違いではありません。

同じセンダンでも、10人が作れば10通りの作品が生まれます。その違いこそが、制作体験の一番の面白さです。

レジンテーブル制作体験ワークショップという選択肢

素材選びから仕上げまで、自分で決める体験

エコロキアのレジンテーブル制作体験ワークショップでは木材選びからレジンの流し込み、仕上げまで、すべての工程に関わっていただけます。
今回ご紹介したセンダンも、その候補のひとつです。

「失敗したらどうしよう」

そう感じる方も多いですが失敗も含めて、ものづくりの楽しさだと考えています。

センダン以外の素材も、これから順に紹介していきます

今回ご紹介したのはセンダンですが実は今回の仕入れでは、クリ、イチョウ、イチイ、カイヅカイブキ、クスノキなど他にも個性豊かな素材が揃っています。

それぞれにまったく違う表情がありそれぞれに「どんな作品になるだろう」と想像が膨らみます。
これらの木材についても、後日ひとつずつ、じっくりご紹介していく予定です。

在庫は十分。

それでも、木を見ると作りたくなってしまう。
そんな少し反省しつつも正直な気持ちを抱えながら、今日もまた、誰かの「作ってみたい」に出会えることを楽しみにしています。