ジン家具はテーブルだけではありません
座面に木とレジンを使うという発想
レジン家具というと、多くの方が最初に思い浮かべるのはレジンテーブルだと思います。両側に木を配置し、中央に川のようにレジンを流し込むウッドリバーテーブルは、レジン家具の代表的な存在になりました。
しかし、木とレジンの表現はテーブルだけに限られるものではありません。今回ご紹介するように、椅子の座面に木とレジンを組み合わせることもできます。
座面という小さな面積の中に、木の流れとレジンの透明感を閉じ込める。大きなテーブルとは違い、椅子は身体に近い家具です。だからこそ、ただ眺めるだけではなく、日常の中で触れ、座り、使いながら楽しむ家具になります。
小さいから簡単、ではありません
椅子の座面はテーブルに比べると面積が小さいため、一見すると作りやすそうに見えるかもしれません。しかし実際には、椅子には椅子ならではの難しさがあります。

テーブルは基本的に物を置くための家具ですが、椅子は人の体重を受け止める家具です。座った時の安定感、座面の高さ、フレームとの固定方法、強度、座り心地。見た目だけで成立するものではありません。
レジンテーブルの技術をそのまま小さくすれば椅子になるわけではない。そこがレジンチェア制作の面白さであり、難しさでもあります。
座面のデザインは自由に作れます
リバータイプの座面
写真のように、座面の中央にレジンを流すリバータイプのデザインは、レジンチェアでもよく映えます。小さな丸い座面の中に川のようなラインが入り、家具というより小さな景色のような印象になります。
ブルーのレジンを使えば水のような涼しさが出ますし、ブラックを使えば空間が引き締まります。透明度や色の濃さによって、同じ木材でもまったく違う雰囲気に仕上がります。
ただし座面の場合、レジンの位置や幅には注意が必要です。美しさだけでなく、実際に座った時の荷重のかかり方も考える必要があります。見た目の自由さと家具としての安定性、その両方を見ながらデザインを決めていきます。
木材の表情をどう活かすか
レジンチェアの座面は面積が限られているため、使う木材の表情がとても重要になります。大きな一枚板であれば大胆な木目を見せることができますが、座面では限られた範囲にどの部分を使うかで印象が大きく変わります。
耳付きのラインを活かすのか、節や色差を見せるのか、木目の流れを座面の中心に持ってくるのか。ほんの数センチ配置を変えるだけで、完成後の見え方は変わります。
レジンテーブル制作でも同じですが、木は工業製品ではありません。同じ形、同じ色、同じ木目の材料は二つとありません。だからこそ、座面という小さな面積でも、その木らしさをどう切り取るかが大切になります。
アイアンフレームもオリジナルで制作できます
フレームの色で印象は大きく変わる
今回の写真では、ゴールドとシルバーのフレームが写っています。同じレジンチェアでも、アイアンの色が変わるだけで印象は大きく変わります。
ゴールドは少し華やかで、店舗什器やアクセント家具として存在感が出ます。シルバーは軽やかで、レジンや木材の表情を邪魔しにくい印象になります。黒にすれば、より落ち着いた雰囲気になりますし、空間全体を引き締めることもできます。

椅子は座面だけで完成する家具ではありません。フレームの太さ、背もたれの形、脚の角度、色。そのすべてが全体の印象を決めます。
形から相談できるのがオーダーの面白さ
既製品の椅子に座面だけを取り付ける方法もありますが、エコロキア家具ではアイアンのデザインからご相談いただくことも可能です。
背もたれを高くするのか、低くするのか。丸みを持たせるのか、直線的にするのか。店舗用として少し華やかに見せるのか、住宅用として静かに馴染ませるのか。
このあたりは、単にデザインの好みだけでなく、どこで使うかによって変わります。ダイニングチェアとして使うのか、玄関先に置くのか、店舗のディスプレイとして使うのか。用途が変われば、最適な形も変わります。
レジンチェアが向いている場所
店舗やショールームのアクセントに
レジンチェアは、一般的な椅子よりも視線を集めやすい家具です。そのため、店舗やショールーム、サロン、ギャラリーのアクセントとしてよく合います。
特に一脚だけ置く場合でも存在感があります。レジンテーブルほど大きなスペースを必要とせず、比較的取り入れやすいのも魅力です。
入口付近に置く。打ち合わせスペースに置く。商品撮影の背景として使う。そうした使い方をすると、単なる椅子以上の役割を持ってくれます。
住宅では主役にしすぎない方が良い場合もあります
一方で、住宅で使う場合は少し考え方が変わります。レジンチェアは個性が強いため、空間によっては主張が強くなりすぎることがあります。
たとえばダイニングチェアをすべてレジンチェアにすると、空間全体が少し賑やかになりすぎる場合があります。むしろ一脚だけアクセントとして使う方が美しく見えることもあります。
お気に入りの読書用の椅子にする。玄関で靴を履くための椅子にする。寝室の片隅に置く。そうした使い方の方が、レジンチェアらしさを楽しみやすいかもしれません。
制作にはテーブルとは違う注意点があります
強度と固定方法を考える必要があります
レジンチェアは見た目の美しさだけでなく、家具としての強度が重要です。座面は人の体重を受け止める部分ですので、木材とレジンの接合だけでなく、フレームとの固定方法も慎重に考えなければなりません。

木は動く素材です。湿度によってわずかに伸縮します。一方でレジンやアイアンは木とは違う動きをします。そのため、固定方法を間違えると、後から割れや緩みにつながる可能性があります。
これはレジン家具全般に言えることですが、見た目が美しいだけでは十分ではありません。実際に使い続けられる構造にすることが大切です。
座り心地は用途によって考える
レジンの表面は硬く、木材部分も無垢材です。そのため、クッション性のある椅子とは座り心地が異なります。
長時間座るダイニングチェアとして使う場合は、座面の形状や角の仕上げ、必要であれば薄いクッションの併用も考えた方が良いでしょう。短時間座る用途や、店舗什器として使う場合は、むしろ硬質な質感が魅力になることもあります。
どんな椅子が良いかは、使う場所と座る時間によって変わります。オーダー制作では、見た目だけでなく実際の使い方を伺いながら設計することが大切だと考えています。
価格はなぜ高くなりやすいのか
小さい家具でも工程は減りません
レジンチェアはテーブルに比べると小さい家具です。そのため、価格も大幅に安くなると思われることがあります。もちろん使用する木材やレジンの量は少なくなります。しかし工程そのものが極端に減るわけではありません。
木材を選び、乾燥状態を確認し、型枠を作り、レジンを流し、硬化を待ち、研磨し、仕上げる。さらに椅子の場合はアイアンフレームの制作や塗装、座面との固定も必要になります。
つまり小さいから簡単というわけではないのです。
オーダー家具は段取りの時間が価格に反映されます
オーダー制作では、材料費だけで価格が決まるわけではありません。打ち合わせ、設計、フレームの仕様確認、色決め、試作的な調整、仕上げの確認。そうした段取りの時間も含めて価格になります。
量産品のように同じものを何百脚も作るわけではありません。一脚ごとに木材が違い、レジンの流れが違い、フレームの仕様も変わります。
その分、世界に一つだけの家具になります。ただし、量産品の椅子と同じ価格帯にはなりません。ここは最初に正直にお伝えしておきたいところです。
よくある質問
- Qレジンチェアは実際に座って使えますか?
- A
はい、実際に椅子として使用できるように制作することは可能です。ただし、座面は木とレジンでできているため、クッションのある椅子とは座り心地が異なります。長時間座るダイニングチェアとして使うのか、店舗や玄関のアクセントチェアとして使うのかによって、設計の考え方も変わります。オーダー制作では、見た目だけでなく使用場所や座る時間も伺いながら、座面の厚みや角の仕上げ、フレームの強度を検討します。
- Qアイアンフレームの色や形は選べますか?
- A
はい、アイアンフレームのデザインやカラーもご相談いただけます。写真のようなゴールドやシルバーのほか、ブラックや落ち着いた色味に仕上げることも可能です。背もたれの形状や脚の雰囲気によって、同じ座面でも印象は大きく変わります。ただし、デザインによっては強度や座り心地に影響する場合がありますので、見た目だけでなく家具として安全に使える構造を前提にご提案いたします。
- Qレジンチェアは制作体験でも作れますか?
- A
内容によっては制作体験としてご相談いただくことも可能です。ただしテーブルと比べて椅子は構造や強度の検討が必要になるため、すべての工程をその場で簡単に作れるわけではありません。特にアイアンフレームの制作や座面との固定は専門的な確認が必要です。そのため、座面部分を制作体験で作り、フレーム加工や最終組み立てはエコロキア家具側で行うなど、内容に応じて現実的な進め方をご提案します。





