「不便を楽しむ」ために、あえて手作業で仕上げる
エコロキアのコンセプトは「不便を楽しむ」。
今週末に納品予定のフルオーダーのモンキーポッドにブルーのレジンを組み合わせたダイニングテーブル、その最終仕上げを行うにあたり、僕は決意しました。
『電動サンダーなんて使わず、手作業で磨き上げよう。これこそがエコロキアの精神だ!』
困難な作業の中にこそ真実がある!最高の透明感を目指して…。
…なんて言うと格好良いのですが、実際のところは違います。

御所市のアトリエ、寒すぎました。
そして独りだとちょっと寂しいし、ヤル気スイッチが入らず作業もなかなか進まない。
「いや、これは無理だ」と悟った僕は、エアコンの効いた本社に持ち帰ることにしました。
本社なら暖かく、快適な環境で作業できます。
ただし、ここはマンションの1階なので、電動サンダーを使うわけにはいきません。そこで、必然的に選択肢は「手作業で仕上げる」ことに。
手作業ならではの魅力を発見
一見、「不便を楽しむ」の精神に忠実な行動のように見えますが、正直な話をすると「楽しむ」というより「仕方なく」です。ここで電動サンダーを使ったら、間違いなく上階の住人に迷惑をかけてしまう…。仕方がないので、紙やすりを片手にひたすら手作業で磨き上げることにしました。
でも、不思議なもので、やっているうちに気持ちが乗ってきます。

レジンテーブルの仕上げは、丁寧に研磨を重ねるほど透明感が増していくのです。これは電動サンダーではなかなか味わえない感覚で、手作業ならではの「達成感」があります。
最初は「仕方なく」だったのに、仕上がりを見た瞬間、「おお、これはすごいぞ」と気分が変わりました。
ワークショップでもこの感動を体験してほしい
…というわけで、ワークショップでもこの最終仕上げは手作業でやってもらおうかな、なんて考えています。もちろん、最初から最後まで全部手作業というわけではなく、途中までは電動工具を使います。でも、最後の仕上げだけは「自分の手で、じっくり磨く」ことで、より愛着が湧くはず。

はじめての方でしたらコンパウンドをかけたら悶絶するほど感動するでしょう。
そう考えると、「不便を楽しむ」って、ただ単に不便を受け入れることではなく、「不便の中にある楽しさを見つけること」なのかもしれません。最初は寒さに負けて逃げ帰った僕ですが、結果的に手作業での仕上げの楽しさを発見することができました。
やっぱり一人よりみんなで作業するほうが楽しい
……とはいえ、やっぱり一人で黙々と作業するのは寂しいものです。寒さもそうですが、何より誰かと一緒に作業しながらワイワイするほうが楽しいでしょう。
そんなことを考えていたら、「御所のアトリエでも、もっと気軽にDIYを楽しむ場を作れたらいいな」と思うようになりました。例えば、月に一度、生豆を自分たちで焙煎してコーヒーを飲みながら気軽に木工やレジンを体験できるフリーワークショップなんてどうでしょう?
「不便を楽しむ」と言いながらも、やっぱり楽しさは人とのつながりの中にあるのかもしれませんね。