本日のレジンテーブル制作体験について
裏面にブルーパールのレジンを流すという選択
本日のレジンテーブル制作体験では、天板の裏面にブルーパールのレジンを流し込み、隅に向かってブラックの流れを描く工程を行いました。一般的にレジンテーブルというと、表側から色を入れ、見える部分だけで表情をつくるイメージを持たれがちですが、今回の制作ではあえて裏側からアプローチしています。

刷毛の動かし方、力の入れ方、止めるタイミング。
ほんの少しの違いが、そのまま表情の違いになります。
裏面からレジンを入れることで、表面を乱すことなく内部に層を作ることができ、結果として奥行きのあるグラデーションが生まれます。特にブルー系の表現では、色が強く出すぎたり、境界が不自然に見えたりすることがありますが、裏側からの描写はそれを和らげ、自然な移ろいをつくるのに有効です。
この方法は「楽にきれいに仕上げる」ためのものではありません。むしろ、仕上がりの予測が難しく、経験と判断が求められる手法です。それでもこの方法を選んだのは、今回の制作で目指している表現に最も近づけると判断したからです。
チャコールブラックの流れが持つ意味
ブルーパールだけで全体をまとめることも可能ですが、今回はあえて炭のようなチャコールブラックの流れを描き込んでいます。これは単なる色足しではなく、全体の重心をつくるための判断です。
レジンテーブルは、色を入れれば入れるほど派手になりますが、派手さと完成度は必ずしも比例しません。特にブルー系は光を反射しやすく、面積が広いほど単調に見えてしまうこともあります。
そこで、チャコールブラックの流れを加えることで視線の逃げ場をつくり、中央のブルーからクリアへの移ろいを際立たせています。このように「どこを主役にし、どこを抑えるか」という判断は、完成形を一枚の絵として捉える感覚に近いものがあります。
こだわりが強いからこそ成立する制作体験
何度も通うという選択
今回の参加者の方は、過去の制作体験の中でも特にこだわりが強く、何度も御所市まで足を運んでくださっています。制作体験は「一度で完成させるもの」と思われがちですが、実際にはそうである必要はありません。
むしろ、時間をかけて何度も手を入れ、その都度判断し直すことでしか辿り着けない表現もあります。特に今回のように、濃いブルーからクリアへと移ろう雲流のようなグラデーションは、一回の流し込みで完成させるのは非常に難しい表現です。
「ここまで来たらもういいか」と妥協することもできますが、あえてそうしない。その姿勢こそが、既製品では決して得られない制作体験の価値だと考えています。
妥協しない姿勢が作品に残る
レジンテーブル制作体験では、仕上がりの美しさだけが評価軸ではありません。どこで悩み、どこで決断し、どこで引き返したか。そのすべてが作品の中に痕跡として残ります。
今回の制作では、「まだいける」「もう少し調整したい」という判断が何度も重ねられています。その積み重ねが、結果として深みのある表情を生み出しています。

レジンはただ「埋める素材」ではなく、層を重ねることで空気感や奥行きを生み出します。
裏側から描いたブルーパールの流れが、表面に静かな動きを与えています。
制作体験とは、単に技術を学ぶ場ではなく、自分の感性や判断基準と向き合う時間でもあります。その意味で、こだわりを妥協せず突き抜ける姿勢は、完成度以上に価値のあるものだと感じています。
レジンテーブル制作体験に「正解」は存在しない
完成形を決めなくてもいい理由
制作体験に参加される方からよく聞かれるのが、「正解はありますか?」「失敗しませんか?」という質問です。しかし、レジンテーブル制作体験において、あらかじめ決められた正解は存在しません。
なぜなら、レジンは工業製品のように完全に制御できる素材ではなく、環境やタイミングによって表情が変わるからです。完成形を厳密に決めすぎると、少しのズレが「失敗」に見えてしまいます。
むしろ、その場で生まれた表情を見ながら「今、きれいだと思う方向」に舵を切る柔軟さが、結果として満足度の高い作品につながります。
「正解」を求めすぎることの落とし穴
正解を求めすぎると、判断が遅れたり、手を止めてしまったりすることがあります。レジンは待ってくれません。
特にグラデーション表現では、「もう少し待てば良くなるかもしれない」と迷っている間に硬化が進み、修正できなくなるケースもあります。
制作体験では、「完璧を目指す」よりも「納得できる判断を積み重ねる」ことが重要です。その判断の連続こそが、作品を自分のものにしていきます。
色とグラデーションはコントロールできないから面白い
湿度・気温・タイミングが与える影響
同じブルーを使っても、気温や湿度、流し込むタイミングが違えば、まったく異なる表情になります。数分の差、数度の差が、境界のにじみ方や層の出方を大きく左右します。
つまり、完全な再現は不可能です。この「思い通りにならなさ」こそが、レジンテーブル制作体験の本質だと考えています。
偶然を楽しむか、挑み続けるか
制作体験には、「偶然に任せて楽しむ」スタイルと、「理想に近づけるために挑み続ける」スタイルがあります。どちらが正しいということはありません。
今回の制作は明らかに後者です。偶然を排除するのではなく、偶然を受け止めた上で、次の一手を考え続けています。その姿勢が、表情に説得力を与えています。
アフリカンブラックウッドという素材の力
荒々しい樹形がもたらす存在感
アフリカンブラックウッドは、非常に個性の強い素材です。均一なデザインには向きませんが、動きのある表現とは非常に相性が良い木です。
木の力を抑え込むのではなく、どう活かすか。その視点が重要になります。
レジンとの主従関係をつくらない
木とレジンは、どちらかが主役でどちらかが脇役、という関係ではありません。互いに引き立て合う関係をどうつくるか。そのバランスを探ることも、制作体験の大きな学びです。
制作体験は「うまく作る」ためのものではない
技術よりも大切にしていること
エコロキアの制作体験では、無難にまとめることを目的にしていません。
「どう考え、どう判断したか」という過程こそが、作品の価値になります。
自分の感性を信じてチャレンジする
誰かの正解をなぞる必要はありません。自分がきれいだと思う方向に、思い切って進んでみてください。その結果がどうであれ、完成したテーブルは世界にひとつだけのものになります。

