「これで大丈夫かな?」と思った海レジンが、4日後に少し変わっていました。

コラム

海みたいになってきましたね。

作業場でそんな声が出たのは、レジンを流し込んでから4日後でした。最初に見た時は、正直かなり色が分かれていました。

深いブルー。
中間色のブルー。
透明感のある淡いブルー。

参加者さんは、“海”をイメージして3色を使い分けながら流し込んでいたのですが、注いだ直後は境界線がくっきり出ていて、

「これで大丈夫かな…」

と少し不安そうでした。

でも、レジンはすぐに完成する素材ではありません。時間をかけて、少しずつ景色が変わっていきます。

レジンは、硬化中にもゆっくり動いています。

すぐ固まらないからこそ生まれる表情があります。

レジンは流し込んで終わりではありません。硬化するまでの時間の中で、内部ではゆっくり色同士が馴染み合っていきます。

今回の作品も、4日経って見るとかなり印象が変わっていました。最初は「分かれすぎている」と感じていたブルーが、少しずつ境界をぼかしながら混ざり始めています。

完全に均一になるわけではありません。でも、その曖昧さがむしろ自然でした。

浅瀬から少しずつ深くなる海のような。
晴れた日の海面を上から見たような。

そんな静かなグラデーションになってきています。

同じように作っても、毎回少し違います。

レジンは気温の影響をかなり受けます。

夏は硬化が早く進みます。
冬はゆっくり固まっていきます。

つまり、同じ色を使って、同じように流し込んでも、季節によってグラデーションの出方が変わるんです。工業製品のように「毎回完全に同じ」は難しい素材です。

でも、僕たちはそこを欠点とは考えていません。

その日の気温。
湿度。
混ぜ方。
流し込む速度。
木の色。
光。

全部が少しずつ影響しながら、一枚の景色になっていきます。

メープルの縮れ杢が、水の揺らぎみたいでした。

光の角度で表情が変わる木です。

今回使っているメープルには、縮れ杢が入っています。普通の木目ではなく、光の当たり方でゆらゆら揺れて見える独特の杢です。

角度を変えるたびに、波紋みたいに表情が変わる。その横にブルーレジンが重なることで、水面の奥行きみたいな雰囲気が出ていました。写真で見ると綺麗ですが、実物はもう少し静かです。

派手というより、近づいて見た時に気づく感じ。自然光の中で見ると、かなり印象が変わります。

木とレジンは、少し予想を裏切るくらいが面白いです。

制作体験では、皆さん最初から自信満々というわけではありません。

「色を入れすぎたかもしれない」
「混ざりすぎたらどうしよう」
「思っていた感じと違うかも」

そんな会話は結構あります。でも、不思議と数日後に見ると、

「あれ、良い感じかも」

となることがあります。
天然木もレジンも、完全にコントロールできる素材ではありません。だからこそ、“付き合っていく感覚”があります。

完成品を買うだけでは味わえない部分かもしれません。

作業場には、少し未完成なくらいがちょうど良い空気があります。

木屑や自然光の中で、ゆっくり進んでいきます。

エコロキアの制作体験は、整いすぎたアトリエではありません。

木屑があります。
作業途中の板があります。
レジンの硬化待ちの作品があります。

窓から入る光で、木の色が少し変わる時間があります。誰かが黙々と研磨していたり、別の誰かが色を悩んでいたり。そういう空気の中で、少しずつテーブルが出来ていきます。

効率だけを考えれば、もっと早いやり方もあると思います。でも、手を動かしながら迷う時間も含めて、ものづくりなのかもしれません。

「完成品を買う」ではなく、「景色が変わっていく時間」を持ち帰る。

作ったあとも、記憶が少し残ります。

制作体験の面白さは、完成した瞬間だけではありません。

「最初、不安だったよね」
「4日後に見たら全然違った」

そういう記憶が残ることです。

木を選んだ時間。
色を混ぜた時間。
流し込んだ瞬間の緊張感。

全部が少しずつ作品に入っていきます。だから完成後も、ただの家具というより、“景色の続き”みたいに感じることがあります。

FAQ

Q
レジンのグラデーションは時間で変わるのですか?
A

変わることがあります。特に厚みのあるレジンは完全硬化まで時間がかかるため、その間に色同士が少しずつ馴染んでいきます。流し込み直後は境界線が強く見えても、数日後に柔らかいグラデーションになるケースは珍しくありません。ただし、気温や湿度によって硬化速度が変わるため、毎回まったく同じにはなりません。それも含めて、レジンの面白さだと思います。

Q
レジンテーブル制作体験は初心者でも大丈夫ですか?
A

ほとんどの方が初心者です。色選びや木材選びも一緒に相談しながら進めていくため、「やったことがない」という状態でも問題ありません。ただ、レジンは自然素材の木と組み合わせるため、完全な均一感を求める方より、少しずつ変化していく表情を楽しめる方のほうが向いていると思います。

Q
海のような表現をする時、木選びは重要ですか?
A

かなり重要です。今回のようなメープルの縮れ杢は、光の反射で水面のような揺らぎが出るため、海表現と相性が良い素材でした。同じブルーレジンでも、木の色や杢によって印象はかなり変わります。レジンだけで考えるのではなく、「木と合わせてどう見えるか」を考えると、作品全体の奥行きが変わってきます。

少し気になった方へ

レジンテーブル制作体験は、完成品を効率よく作る場所ではありません。

木を見ながら迷ったり、色を悩んだり、
「これで合ってるのかな」と不安になったり。

そんな時間も含めて、ゆっくり作品になっていきます。

天然木もレジンも、工業製品みたいに完全には揃いません。

でも、その揃わなさの中に、光や温度や、その日の空気が少し残ります。

「ちょっと見てみたい」くらいでも大丈夫です。

写真だけのご相談や、制作内容についての質問もお気軽にどうぞ。